SEEPS 環境経済・政策学会

環境論壇:「東京オリンピック・パラリンピックと環境問題」についての投稿の呼びかけ

2018年9月14日

森口祐一・岩田和之・柘植隆宏

 第12巻第1号の環境論壇のテーマは、「東京オリンピック・パラリンピックと環境問題」とします。

 2020年7月24日から8月9日にオリンピックが、8月25日から9月6日にパラリンピックが東京で開催されます。日本でのオリンピック・パラリンピックは1964年以来56年ぶりであり、東京はアジアで初の2回目の開催都市となります。前回開催は公害対策基本法制定の3年前であり、この間、環境問題もその背景にある経済社会の姿も大きく変容しました。

 オリンピックは世界最大のスポーツイベントです。多くの観客・観光客が開催地およびその周辺に訪れることから、大会の開催には大きな経済波及効果が期待されています。東京都は2020年の東京大会での経済波及効果を合計で32兆3179億円と試算しています。

 一方で、大会を実施するにあたっては莫大な費用が発生します。大会の開催にかかわる経費として、大会経費が1兆3500億円、大会関連経費が8100億円とされており、大会を実施するにあたって合計で2兆1600億円もの直接的な費用がかかります。

 こうした直接費用に加えて、大きな大会であるがゆえの環境問題も無視できません。例えば、短期間に開催都市および周辺地に多くの観光客が流入することで生じるごみの増加や交通集中、事故に伴う渋滞問題などへの対策が求められます。加えて、今日では持続可能性に十分に配慮した大会運営が求められています。大会施設建設にかかわる資材調達、大会開催中のエネルギー需給や温室効果ガス排出、廃棄物の発生抑制や再使用・再生利用への取り組み、炎暑下での開催への適応策など、多岐にわたる課題があります。さらに、開催を契機とする取り組みの中長期的な継承、大会後を見据えた大会施設の利活用や中長期的な都市計画における位置づけ、東京都の環境目標と大会開催との関係など、様々な環境にかかわるトピックが考えられます。

 第12巻第1号の環境論壇では、持続可能な東京オリンピック・パラリンピックの実現について、環境経済・政策学の視点から考察した論考を募集します。

 大会開催まで2年を切りました。大会期間中に1500万人を超える観光客が訪れるとの予測もあります。世界有数の大都市東京に世界の目が注がれる機会であるということを念頭に、東京オリンピック・パラリンピックと環境問題について、ご自身の視点から学術的に考察した論考をご投稿頂きますよう、お願いします。日本のみならず、海外の事例を踏まえた論考も歓迎します。皆様の積極的な投稿を期待しています。

投稿規定

 投稿者は環境経済・政策学会会員に限ります(ただし、特に編集委員会が認めた場合は、その限りではない)。ご自身の研究結果を含まなくともかまいませんが、他者の研究結果・データ・主張等を用いる場合は、必ず出所を明確にしてください。また、総説の紹介ではなく、学術研究を踏まえ、ご自身の視点で主張を展開してください。さまざまな分野の専門家および一般市民を対象としたものであることを念頭に置かれ、高度に専門的な論考はお避けください。

  1. 字数制限は、本文の上限5千字(注釈・参考文献を含む。図表を除く)、また図表の総数を上限4点とします。字数制限は必ずお守り下さい。
  2. 第1ページに、タイトル、名前(邦文および英文)、所属、メール・アドレスおよびゲラ送付先を記入し、論文は第2ページから始めて下さい。英文タイトル、論文要旨、キーワードは不要です。
    記述のスタイルは、『環境経済・政策研究』の投稿規定(http://www.seeps.org/journal/)と同一です。なお、参考文献を引用する際は、該当ページもお示しください。また、文書はMSワードで作成をお願いします。
  3. 投稿は、学会webから行ってください。投稿出来ない場合は、柘植 (tsuge(アットマーク)center.konan-u.ac.jp)まで、メールで送付してください。

締切

2018年11月30日(金)・・・12月17日(月)まで延長

注意

 投稿された論考は、編集委員会で迅速に採否を決定します。その際、修正を求めることがあります。なお、不採用の場合でも、レフェリー・レポートは特にありませんので、ご了承下さい。