SEEPS 環境経済・政策学会

第1回研究セミナー

日時 1999年11月6日(土)午前10時~7日(日)午前12時
会場 滋賀県青年会館「アーブしが」
講師(1) 赤尾健一(早稲田大学社会科学部)
「持続的成長と環境クズネッツカーブ」
「一人あたり国民所得の増大とともに、初期の段階では環境劣化が進行するが、所得がある水準を超えるとその増大とともに環境の改善が進む」という仮説は、環境クズネッツ曲線と呼ばれている。この仮説の妥当性は、環境保全と開発の調和を企図した「持続可能な発展」の概念の有効性と密接な関係をもっている。報告では、この仮説の意義について述べた後、代表的な実証研究を紹介する。さらに今日得られている理論的結果を解説する。
講師(2) 岡 敏弘(福井県立大学経済学部)
「環境政策の評価について」
ダイオキシン問題と自然生態系保護の問題を軸に、環境政策を選択する上でどのような評価をしなければならないかを論じ、研究上の課題を提示する。現実の問題が主役であり、経済学的手法は必要な限りで導入される。項目は、リスク論、リスク便益分析、費用便益分析、政策手段論である。
講師(3) 栗山浩一(早稲田大学政治経済学部)
「環境評価の統計計算手法について」
環境の価値を金額で評価する手法として、CVM(仮想評価法)やコンジョイント分析が注目を集めています。この講義では、アンケート設計から統計分析までの実際の評価手順について解説します。統計アプリケーションの使い方など、論文や本には書かれていない実践的なテクニックを公開します。なお、実際にパソコンで分析を行うため、Windowsのノートパソコンを持っている人は持参してください。環境評価の統計分析を体験できます。(持っていない人は、なくても構いません。)
講師(4) 周緯生(財)地球環境産業技術研究機構・立命館大学法学部
「途上国への環境技術の移転について」
途上国は経済発展、公害克服と地球環境問題に同時に直面している。それを同時に乗り越えるためには、途上国の自助努力はもちろんの事であるが、先進国からの技術移転も不可欠である。これは、途上国の持続可能な開発の為であると同時に先進国に大きなビジネスチャンスをもたらす可能性を秘められているといえよう。このように、本セミナーでは、環境技術移転の現状、技術移転を阻害する要因、及び技術移転による経済環境効果のを分析した上、技術移転と環境産業との関係、特にCDM(クリーン開発メカニズム)とのリンクについて解説し、途上国への環境技術移転を促進するための方策を提言する。
お問い合わせ先 鷲田豊明(神戸大学経済学部)
参加費 大学院生(会員)  1,000円(会場宿泊の場合は無料)
大学院生(非会員) 2,000円
一般参加者(会員) 3,000円
一般参加者(非会員)5,000円